小学校に結伊が上がるまで母親はそれを続けたんだよな。
紙を伸ばさせてふたつに結い上げたり、
赤いランドセルを買い与えたり
ふりふりしたスカートをはかせたり。
はたからみりゃ、だれも男なんてわからんよ。
みんな結伊のことを女だと思ってたんだな
でもそれも強引な話さ。
無理があるんだよ。
結伊は自分の心と着せられているものや身の回りの環境の矛盾に対応しきれなくなっていた。
中学にあがるほんのまえだったよ。
ランドセルをしょって泣きべそをかいてる結伊をうちにあげて、話を聞いておれは気づいたんだよ。
こいつ男だって。

