「あの子はわたしを置いて勝手に家を出ていきました。 だからばちがあたったんです。」 ばちがあたったんです、ばちがあたったんですと彼女は繰り返して言った。 わたしたちは何も言葉を発することができなかった。 お寺を出たところでお礼を言って、母親とは別れた。 担任が言っていたように、結伊は母親とは不仲のようだった。 あれ以上、結伊の母親から話は聞けなかったろうし、 結伊の死に対してばちがあたったんだといい続ける彼女の口から、結伊の話を聞きたくなかった。