「ほんとに海の近くだったんだね。」 後部座席に乗っている譲が窓を開けて、左手に広がる海の景色を眺めて言う。 「あと30分もしないで着くと思うぞ。 着いてからまずは結伊の実家探しだ。 アポとってねーから話聞けるかどうかはわかんねーけど。」 千樫は車をびゅんびゅん進めた。 わたしは握ってくしゃくしゃになりかけた結伊の住所が書いてある紙を手で伸ばして広げた。