「久しぶりだな。そっちは?
今から出掛けんの?」


「あーこれから、部活の奴らと盛り上がる。
独り者同士で」



「うわーキッツー」



祐希の言葉に、和弥もそれ以上何も言えず。


私もオロオロしてしまった。


それを見て、祐希が笑い出した。



「お前等、焦った顔しやがって。
文句も言えねーじゃん」



「文句言えよ!
蘭、ちょっと先で待ってて」


和弥は、私に先に行くように促すが、
祐希に止められる。



「いや、蘭も聞いてていいよ。
蘭には、言いたいこと言ったしね…」



祐希は、はぁとため息をつくと、和弥の方を
見た。



「いつ蘭のことスキって、気付いた訳?」



「言わなかっただけで、ガキの頃から
スキだった」



「何だよ、それ。じゃあ何でいきなり
言う気になった?」



「自分の気持ちを抑えられなくなったから。

勝手なこと言ってるのはわかってる。
許してもらおうとは、思ってねぇーよ。
お前にも、何度も聞かれたもんな。
ただオレが、勇気がなかっただけだ。


殴りたいなら殴れよ。
縁切りたいなら、お前には関わらねーから」



和弥は、真面目な顔で祐希の目を見て
ゆっくり話した。