嘘の愛を口にする【完】


「お願いだからっ…離してよぉっ…」


「……」


「何で、何で」


「……」


「好きな子ができたなら言えばいいじゃない…飽きたんでしょ?他の女の人と歩いてたくせに、あれでしょ?香水付けてるのって女の人の匂いを消してくるためでしょ?浮気がばれないように」


「……」


「ほら、黙ってるってことはそうなんだ?だったら抱きしめないで、他の女の人に触れた腕で抱きしめられても嬉しくない」


「美織」


「離婚したいんでしょ、なら離婚しようよ…その方が弘樹は幸せでしょ?」


「美織」



「もぉいいからっ…好きじゃないなら優しくしないで」


「美織、聞いて」


「いやっ…分かってるから一々言わないで!」


「聞いて」


「っ……」