「それにしても、朝の出来事…見てたよ」


佐神君が話題を出してきた。


「出来事?誰か何かしたの」


朝から一体何をしたのか気になる…



「それ本気で言ってる?

【 坂元が玄関前でまた女子を落とした 】って

ことなんだけど…」


「凄いねその坂元君……ちょっと佐神君

どうしてそんな目で見るの…あっ

まさか…その坂元って僕?」



「他にどの坂元がいるの…」


何故か佐神君に呆れてしまわれた。




女である僕が女子に惚れられてしまう

ことはあれのせいらしい。




高校2年の文化祭



僕と佐神君は、司会進行役であった

亜留伽ちゃんの頼みで幕間に舞台で

立つことになった。



その際に衣装担当だった草薙さんに

普通の格好では面白くないと言われ、


金髪のウイッグを被らせられ、男子の制服

を着せられた。



そして僕と佐神君が舞台に立つと女子達の

悲鳴という名の歓声が聞こえてきた。


僕達は、急で大層なことが出来ないので

漫才を披露した。




因みに僕がボケで佐神君がツッコミだ。


佐神君のしなやかな手さばきは、

今でも健在だ。



文化祭は無事に終わり、再び日常が戻って

くるかのように思えたが…次の日、

学校に来ると女子に囲まれた。



もみくちゃにされたのは、言うまでもない