あの日から、毎日のように。
慎吾の家、純の家、亮介さんの家へ集まるようになった。

私は、いつからかクラスの奴らから一目置かれる存在になっていた。

亮介さんの彼女、弘美さんに化粧をしてもらったり。
明らかにヤンキー女が着るような洋服を貰った。
弘美さんは亮介の一つ上、高校には進学しなかったらしい。

私もみんなのくだらないバカ話や、他校との喧嘩、休み時間にバカ騒ぎ…。

心から楽しむようになっていた。

そんな日々をおくって季節は夏になった。

ある熱帯夜。
自宅に純から電話が掛かってきた。

もう夜の10時頃…。

『ゆき、今から学校来いよ!』

いいけど。。何?

『今日、暑くね?とりあえず校門前な!』

と、一方的な電話。

私は自転車で学校へ向かった。

そこには、純、慎吾、亮介、亮介の友達のハチ(蜂巣だからハチ)弘美さんが集まってた。

『よし!行くぞ〜!』

私はみんなの後を着いて行った。

(プール⁈)

みんなは学校のプールのフェンスを乗り越え、パンツ一丁でプールへダイブ!

純が『ゆきも入っちゃえよ!』
と、無邪気な笑顔でプールサイドに座ってた私の手を掴んでプールへ落とした!

きゃー!!

洋服のままびしょ濡れ(笑)

(気持ちい〜!)

『ゆき、俺の背中乗れよ!』

うん!

純は私をプールの中で、おんぶして泳ぎ始めた。

辺りは真っ暗、外灯でうっすら純の顔が見えるくらい。

ギャーギャー騒いでる仲間から、ずいぶん離れた所まで泳いだ。

もう仲間達が見えない距離。。。

ふと…純が背中に乗せてた私を下ろした。。。

純は、不意に振り返り。
私をお姫様だっこした…。

何?
投げないでよー!

なんて言った途端。キス…。

(ちょっと…冗談でしょ。。)

『俺、ゆきが好き。』

えっ?

『ゆきは?俺の事…好きなのかよー!』

好きだよ。。

(出会った時から…。)

それを聞いた純は、もう一度キスした。
私からもキスをした。

『おー!俺たち、付き合うぞー‼︎』

純は遠くに居る仲間達に叫んだ(笑)

あの暗闇の中でも、純と私が幸せな笑顔をしていた事は。
お互い分かってた…。

あの塩素の味がしたキスは、忘れない。

これが恋心なんだ。。。