「何で驚くんだよ。お前も俺と同じく、裏表作っているんだろ?」
そりゃあ、作ってますけどねぇ。
「もし私があなたの立場なら、メンバーには裏の顔も見せているよ?」
「はぁ!?お前、馬鹿か!?!?」
どうして私は、年下から馬鹿にされているのでしょうか。
「人間は、信じた方が負けるんだよ!そんなことも知らねぇまま今までこの世界で生きてたのか!?・・・俺には信じられねぇ」
信じた方が負けるなんて・・・っ!!
「そんなこと、あるわけないわ!信じたから救われる人だって、大勢いるのよ!?」
「馬鹿につける薬はねぇって言うが、本当にねぇんだな!」
何て失礼な奴!!
「私は確かに馬鹿よ。本当は芸能科のある高校に行きたかったけど、頭が悪いから無理だったのよ」
もっと頭が良かったら、あんなヤンキー校に入る心配もなかったのに。
「でもね。人を信じる大切さを知らないほど、私は馬鹿ではないわ!
あなたは確かに私より頭が良いかもしれないわ。でも、人を知らないあなたなんか、私より馬鹿よ!大馬鹿者よ!!」
言い切った私は、肩で息をしていた。
こんなに言っている私も、一時期は君太くんと同じ考えを
していたのにね。


