プリンセス×プリンス





 お姉ちゃんの当時通っていた学校はセキュリティを強化した。


 教室も、隔離された。


 親友でさえも疑われ、長い時間話せなかった。



 それほど、ファンに襲われるということは、怖いということだ。



「・・・怪我は?していないの?」


「もう大丈夫。あすくが守ってくれたから」



「・・・あすくが?」



「うん。だから私、無事だった」



 あの日のことは、感謝してもしきれない。



 それほど嬉しかったのだ。



「花鈴。あなた、あすくのこと好きなの?」



「えっ・・・」



「嬉しそうな顔しているわよ。花鈴のそんな嬉しそうな顔、久しぶりに見たわ」



「・・・わかる?」



「やっぱり好きなのね」


「・・・うん。だって、優しいんだもの」



「・・・良かったわ。花鈴が男を好きになって。前は、嫌いだったでしょう?」