『では、あすくさん。意気込みを』
「はい。どうも皆さん。今日はお忙しい中来ていただいて、ありがとうございます。源琉太役の、あすくです。演技をするのは花林さんと同じく慣れていませんが、頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします」
うわ、あすく、完璧じゃない。
裏表変えるの、得意ね。
私、そんなに上手くいかないわよ?
『ここで、源琉太の婚約者役をご紹介させていただきます。美鈴さんでーす!』
美鈴さん?
もしかして、お姉ちゃん!?
「こんにちはー」
出てきたのは、やっぱりお姉ちゃん。
相変わらず、美人だ。
綺麗に巻かれた茶色い髪。
作っていない、まぶしい笑顔。
まるで全身から光が出ているような美しさ。
「源琉太の婚約者・桐本夏希(きりもと・なつき)を演じる、美鈴です。よろしくお願いします」
報道陣のカメラの嵐にも負けない、我が姉。
「よろしくね。花林ちゃん、あすくくん」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
「よ、よろしくお願いします」
こうして、顔合わせが終わった・・・・・・・。