プリンセス×プリンス




☆あすくside☆



「ごめんねあすくくん。休んでいるところ悪いんだけど、花林ちゃん呼んできてくれないかな?」


「僕が・・・ですか?」


「あいているの、あすくくんしかいないんだ。プリンスに向かってこんなお願いするのはどうかと思うんだけど…」


「わかりました。行ってきます」


「ありがとう、あすくくん」


 俺はスタッフに向かって、笑った。


 あのスタッフ、俺をなんだと思っているんだ。


 俺は確かに、モデル界のプリンスって


 言われている。


 しかし俺本人は庶民中の庶民。


 プリンスに向かって、こんなお願いするのはどうかと思うんだけど


 って、俺のことを本物の王子様と


 勘違いしてねぇか?


 ・・・にしても、アイツは一体、


 何しているんだ。


 かれこれ20分はたっている。


 ったく、めんどくせぇ。




 俺は誰にもバレないよう溜息をついて、


 花林の楽屋へと向かった。