プリンセス×プリンス




「み、見ないでください!」


「無理。ちゃんと俺に見せて。俺は、お前の相手役なんだからな」


 ・・・確かにそうか。


 でもっ・・・・!


「お前、モデルだろ?なら、ちゃんと人に服を見せて、笑えよ。マネキンじゃねぇんだから」


 ・・・そうか。


 私、モデルなんだ。


 モデル界のプリンセスだよね。


 私は、背の高いあすくに向かって、


 出来る限り、




 にっこり笑った。


 いつもより、素直に


 笑えた気がする。


「可愛いじゃん。もっと笑えよ。自信もてよ」


 あすくも、笑った。




 いつもの、わざとらしい笑みじゃなく、


 プリンスの名にふさわしい。




 そんな笑みだった。