プリンセス×プリンス




「おはようございます!」

「「「おはようございます」」」


 スタッフさんの元気な声を聞いて、


 私はスタジオ内に入っていく。


「おはよう、花林。昨日は大丈夫だったかしら?」


「おはようございます、マネージャー。大丈夫でしたよ」


「良かったわ。じゃあ、着替えていらっしゃい。衣装が置いてあるはずだから」


「はい!」


 えっと、楽屋はどこかしら?


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

   あすく様


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ここ、あすくの楽屋なんだぁ…。


 もう着いているのかな?


「花林ちゃん」


 この良い声は…!


「あすく!」


「おはよう、花林ちゃん」

 ニコッと笑う、あすく。


 やっぱり笑みは、わざとらしい。


「おはよう!ねぇ、それが衣装?」


「そうだよ」


 今あすくが着ているのは、


 タキシードみたいなフォーマルな服。


 背の高いあすくに、よく似合っている。


 ・・・ドキドキしちゃうのは、重症かなぁ?


「花林ちゃんも着替えておいでよ。僕、花林ちゃんの衣装も見てみたいから」


「わかりました!着替えてくるね」


 嫌いだった作り笑いに負け、


 私は楽屋へと急いだ。