プリンセス×プリンス




「行ってきます!」


 でも、私も単純だと、

 自分でも思う。


 だって、東堂朝太みたいな俺様タイプなんて、

 一番嫌いなタイプなのに。


 こんなに、会いたいって思う。


 人の感情って、こんなにも簡単なことで


 揺れ動くなんて。


 ・・・それとも、こんなに揺れ動くのは


 私だけかな。


 他の人は、こんなにも簡単に、


 揺れ動かないのかな?

 私、おかしい?


 変かな?


「あ~!なんかネガティブになっている~!!」


 頑張れ、花鈴ちゃん!

 もっとポジティブになれよ!


「あら姫川さん。朝から元気ね」


 近所の人に笑われた私は。


 真っ赤になって、


 スタジオに向かったのでした。



 ・・・そんなに声、大きかったかしら?