プリンセス×プリンス




『言っておくけど、俺が東堂朝太だって知らねぇからな』



 あれ?そうなの?


『東堂朝太イコールあすくだって知っているのは、俺の家族とお前だけだ』


 え・・・?


 ご家族と、私だけ・・・?


 少なくありません?


「友達は?知っている人いないの?」


『俺、本当に親しいダチはいねぇから』


 耳元で、ふっと声がする。


「そうなんだ・・・」


『なんでお前が落ち込むんだよ』


「だって、寂しくないの?」


『別に。もう慣れたし』


 そういう声が、凄く悲しそうに聞こえるよ。


 ・・・さっき、助けてもらったからな・・・。


「・・・あすく」


『ん?』


「・・・私が、友達になるよ」


『・・・は!?』


 やっぱり、吃驚するよね。


 さっき、あんなにひどいこと言ったのに。


 こんなこと言うなんて。