プリンセス×プリンス




 って、私、冷静すぎでしょう!?


 ある意味凄いよ、私!


 って、褒めている状況じゃないよね、これは。


「ちょっとツラ貸してくれない?・・・花林チャン」


 ドキンッ


 心臓が、嫌な音を立てた。


「・・・連れてけ」


 リーダーっぽい女の子が指示を出すと、


 周りにいた子が私を引っ張りだした。


「いやっ・・・やめてっ・・・」


「いーから、来い!」


 いや・・・思い出させないで・・・。


 あの記憶を、目覚めさせないで・・・!


 もう2度とあんな思いはしたくないの・・・。








 連れて来られたのは、小さな空地。


「あんたさ、モデルの花林でしょ?」


「そうだけど・・・何か用ですか?」


 本当はカミングアウトしたくない。


 でもやらないと、また同じ思いをする。


「今度、あすくとドラマやるんでしょう?」