プリンセス×プリンス




「大丈夫だよ!ここから家近いし。携帯電話も持っているから」


「そう・・・。じゃあ、何かあったら電話するのよ?」


「わかってまーす。じゃあね!」


「気を付けてね」


 私はマスクをつけ、帽子をかぶって、スタジオを出た。


 ・・・怪しいかしら?


 学校での格好にした方がいいかしら?


「・・・ねぇ」


 でもあの格好、好きじゃないのよねー。


「・・・ねぇ」


 まぁ、しょうがないのかな・・・。


「ねぇってば」


 もうあんな思いは、したくないもの。


「っ!?」


 肩を強くつかまれて、咄嗟に振り向くと。


「何シカトしてんのよ」


「・・・っ」


 いかにもチャラそうな女の子たちが、私を睨みつけていた。


 ざっと数えたけど・・・5人はいる。


 ・・・誰?