プリンセス×プリンス




 俺は昔から人と接するのが苦手だ。


 特に女が。


 朝美のようにすぐに腕とかに巻き付いて甘い声を出す女が。


 女が見るのは、俺の顔だけだから。


 内面なんて、誰も見ない。


 モデルをやっているのも、過去に付き合った女が


 俺の写真を勝手に事務所に送ったからだ。


 その理由がまたくだらねぇ。


「芸能人と付き合っているんだよ?みんなに自慢できるじゃない」


 結局俺は顔だけの人間。


 俺の内面を見ない。


「カッコいいな、朝太くん。君は我が事務所のトップになれるはずだ。期待しているよ」


 所属事務所の社長に言われた言葉。


 今も俺の頭の中に響いている。


 どの女も俺の外見しか見ていないのなら。


 この外見を利用させてもらおう。


 これは俺の一種の女への復讐。


 とことん苦しめてやる。




 それなのに。


 あいつ・・・花林だけは。


 俺の言うことを聞かない。






























 ・・・初めての


 女だった。