プリンセス×プリンス




「秘密にしておいてよね!花林はトップシークレットなんだからさ」


「じゃあ、俺の言うこと聞く?」


 何でこんなに俺様なのよ!


 出てきなさいよ、最初にあすくをプリンスなんて言った人を!


 見せてやりたいわよ、この俺様ぶりを。


「今度こそ、俺とご飯食べにいこーぜ。
遊園地や水族館にも行って、花火して、花火見ながらご飯食べよーぜ。勿論、恋人つなぎでな」


 このフレーズ・・・どこかで・・・。


「この前、花林が言っていた理想のデート内容。
理想なんだろ?俺がかなえてやるよ」


 何で私、あんなこと口走ったのかな・・・。


 今更後悔している私って・・・。


「あんなの理想じゃないわ。第一、私は男嫌いなのよ?
男嫌いなのに、どうしてデートなんて行かなくちゃいけないのよ。
あんなのでたらめよ。私はデートなんて行きたくないわ。
付き合ったら、花林の名前に傷がつくわ」


「男嫌い?偶然だな。俺も女嫌いだぜ」


 はぁ?


 こいつが女嫌い?


「嘘つくなら、もっとまともな嘘つきなさいよ」

「嘘じゃねぇよ」


「信じられないわ」


 私は職員室を出ようとする。


「おい。どこ行くんだよ」


「今日はもう帰るわ。ついてこないでよね」


「だーれがついていくかよ」


 ひねくれた東堂の声を聞き、私は職員室を後にした。