静かになる会場。
「今まで黙ってきましたが、俺はモデルの花林さんと付き合っています」
『な・・・何故ですか!?』
一気にフラッシュと話声で包まれた。
「前に1度、僕は花林さんと一緒に撮影をしました。
ご存知の方もいると思いますが、それが1番最初です。
つまり、僕らの出会いでした」
俺は気づかなかったな、まさかあの時の女なんて。
あの時俺は女なんて姿以外は一緒だと思っていたから、付き合って捨てようなんて思っていたっけな。
「それから僕らはドラマで共演しました。
最終回にはキスシーンもありました。
あのキスシーンを巡って、花林は僕のファンに襲われました。
一部の人しか知りませんが、『ワイルド』の撮影現場に花林は監禁されました。
温度調節機能が壊れていて、一歩間違えれば凍死していたところでした」
あれはマジでビビったな。
死ななくてよかったよ。
もし最悪の状況になっていたら、俺と君太はあの時の女に会えなかったもんな。


