プリンセス×プリンス






『うるせぇなぁ。おい、ガムテープ持って来い』




『口塞ぐのぉ?聞こえなくなっちゃうよぉ?』




『・・・そうだな』




 弟の声に納得したお兄さんは、私の中学の制服のワイシャツのボタンに手をかける。





『やっ・・・!』




 私の頬に、涙が流れる。




『早いな。俺はまだ何もしてねぇぞ?』




『えぇ?つまんなぁい。もっと声出してよぉ。僕、聞きたいよぉ』




 怖いのもある。




 でもそれは襲われる怖さじゃない。







 私が怯えているのは、









 この2人の瞳だ。