プリンセス×プリンス






 抵抗も空しく連れて来られたのは、小さな埃っぽい部屋。




『兄貴ぃ。いつの間にこんな部屋借りたのぉ?』




『ん?さっきだよ、今さっき。あの女の金を使ったんだ』




『さすが兄貴だねぇ。僕も見習おうっとぉ』





 お酒の匂いはしないのに、2人の話し方が可笑しい。






 呂律がまわっていないような話し方。




 さっきから、何が楽しいのか怪しく笑っている。




 ・・・・壊れた人形みたい。




『じゃあ、始めようかぁ。大人しくしてね?』




『な、何するの・・・?』




『僕ら優しいからぁ、安心してねぇ?』





 その声と話し方じゃ安心できないよ。