「お兄様に伝えておいてくれるか?花鈴も俺と同じ光輝高校の生徒だって。
そして、花鈴が誘拐されたのは俺の責任だってな」
これを言えば、また散々罵られるだろう。
だが俺はあえて伝える。
「かしこまりました。お伝えしておきます」
「よろしく頼む」
「・・・晴太坊ちゃまはここ最近、旦那様や奥様からの圧力が重くのしかかっております。
もともと晴太坊ちゃまは人と関わらず、お一人で過ごされるタイプでしたから、大変苦労されている様です」
「・・・そうか」
「もし朝太坊ちゃまでしたら、そんなことはなかったでしょうに」
「もう終わった話をするな。今はお兄様とお姉様が跡継ぎなんだ。
俺には関係ない」
「・・・そうですか」
「そんなことより、まだか?」
「そろそろ到着でございます」


