通話を切った俺は、ふっと笑った。 相変わらずだな、お兄様は。 昔散々俺を罵ってきたお兄様だが、何か困ったことがあるとすぐに泣きついてきて。 それはお姉様も変わらねぇけどな。 キキッ 「朝太坊ちゃま。晴太ぼっちゃまのご命令でまいりました」 「ああ。遥華テレビまで頼む」 「かしこまりました。どうぞ」 来るの早いな。 「晴太坊ちゃまから聞いて吃驚しました。まさか朝太坊ちゃまがあのモデル界のプリンセスである花林様とお付き合いされているとか」 あの野郎、べらべら話しやがって。