プリンセス×プリンス





「はい。そうですけ――――・・・!?」



 途中で言葉が途切れてしまった。



 だって、そこに立っていたのは、私の通う光輝高校の女王様・津川彩さんだったから。




「可愛いですね。サイン、いただけますか?」




「あ、はい・・・」




「あら。あたしったら。ごめんなさい、花林さん。あたし、さっき見学した現場に色紙忘れちゃったみたいなんです。一緒に取りに行ってもらえませんか?」




「あ、構いませんよ?」




 へぇ~意外。彩さんでもそんな失敗するんだ~。



「ありがとうございます。こっちです」



 私は何も疑わず、彩さんの後をついていった。





 後悔するなんて、思わなかったから。