プリンセス×プリンス






 君太があそこまで俺を信じてくれていたなんてな。



 吃驚したよ、あの時は。










 でも俺は、そのあとすぐに君太の前から姿を消した。



 朝美が俺にモデルという仕事をしないか、と誘ったからだ。



 俺はずっと出たいと思っていた東堂家から出た。



 君太にはただ、モデルになるということだけを伝えた。



『モデル?どうしてだよ、お兄様。モデルになるっていうことは
社長であるあの人に会うかもしれないんだよ?
お兄様を見捨てたお父様にも。・・・それで良いの?お兄様』



『かまわねぇよ。俺には目的があるからな』



『目的?教えてくれる?お兄様』



『ああ。・・・俺は、女に復讐する』



『女に?でもお兄様。あの女のこと忘れたの?』



『忘れるものか。あのことを忘れることはこの先ねぇよ。
でも、それ以上に俺はあの人を初めとする女が憎いんだ。
俺はこの容姿を利用して、女に復讐する』



『・・・わかった。俺も協力するよ』