『晴太お兄様と陽奈子お姉様はお兄様を悪く言うもん。
それの原因はお母様だし。
お父様はいーっつもお母様の言いなりで、ちっともお兄様を守らない。
お姉様は、何も知らないもん!
俺だって、1人の跡取り候補だったんだよ?
勉強以外の全てを後回しにしたんだよ?
それなのに、お母様はそんなこと気にしない。
君太なんて、跡取りになれるわけないでしょって。
今までの俺の努力は何だったの?
晴太お兄様と陽奈子お姉様も当たり前って顔してさ。
あの2人なんかより、俺の方がよーっぽど努力していたのにさ。
お姉様も俺が努力していたこと知らないでしょう?』
『・・・知らなかったわ。君太がそんなに努力していたなんて』
『でもお兄様は知っていたよ?お兄様だけ。
お兄様だけ気が付いてくれたんだよ。俺の努力に。
だから俺はお兄様についていく。
お兄様だけが、俺を認めてくれたから』
『君太・・・』
『行こう。お兄様』
『・・・ああ』


