・・・なんて言えず。
「優しくて、私をリードしてくれる男の子が良いです。
私、方向音痴なんで、こっちだよって手を引っ張ってほしいです」
「あは。花林ちゃん可愛いなー」
にこって笑っておく。
手なんて、つなぎたくありません!
どうして指なんてからめなくちゃいけないんですか!
リードなんてしてほしくありません。
確かに私は方向音痴だけど。
男に引っ張ってもらいたいって思うほど
抜けてはいません。
「そういえば花林ちゃん。このあと、あのあすくと一緒に撮影するんでしょう?」
あすく?
誰ですか、それ。
「もしかして花林ちゃん知らないの!?
モデル界のプリンスのこと」
モデル界のプリンス?
私の通称と似ている・・・。
「花林ちゃんと一緒で、あすくっていう名前と誕生日しか公開されていないトップモデルだよ。
男性向け超人気雑誌『ギャラクシー』の専属モデルって」
何でこんなに私と似ているの?
ある意味、怖いんですけど。


