プリンセス×プリンス





「そんな兄を一番間近で見ていたのが君太よ。
君太は誰よりも朝太の気持ちを知ったわ。
そして、次第に君太も朝太のように女の子をとっかえひっかえして遊ぶようになったわ。

アイドルになったのも、兄を苦しめた母親と同じ女性を苦しめるため。
外見だけ見て内面を見ない女の子を見て2人は楽しんでいるわ。


実際、あの2人は深夜繁華街とかに出かけて適当に女の子を捕まえて、治らない心の傷を与えたこともあるわ」



 治らない、心の傷・・・?



「1度朝太と同い年の女の子にひどいことして泣かせたって聞いたわ。
そこで2人は事の重大さに気が付いたのよ。
その女の子に誤ろうと家に行ったらしいんだけど、もうその子の家は引っ越した後でね。

こんなこと言うのも不謹慎だとは思うけど、その子のお蔭で2人は前よりはまともになったわ。2人が人間不信で女嫌いって言うのは変わっていないけどね。
君太は仕事を真面目にするようになったし、朝太もあたしが進めたモデルの仕事も難なくこなしているし。
今ではモデル界のプリンスなんて呼ばれるまでに成長したわ。
それにあなた・・・花鈴ちゃんとも付き合うようになったものね。
朝太からその話を聞いて、凄く嬉しかったわ。


でも、まだ2人のあの日の女の子を泣かせた過ちへの後悔はしているわ。
今頃その女の子、何しているのかしらね」





 ふふっとすがすがしく笑う朝美さん。



「あの。朝美さんってマネージャーなのに色々知っていますよね。
2人の過去について、詳しすぎます」