プリンセス×プリンス





 唇に感じる、柔らかいもの。



 ・・・今、寸止めじゃないわよね?



「花林、続けろ。監督からのストップがない」



 耳元であすくの声がする。



『私も・・・愛しているよ、琉太』




 これ、台詞じゃないわ。



 私の心からの言葉。



 織子が代わりに言ってくれただけ。




「カ―――――ット!」



「お疲れ様!花林ちゃん!あすくくん!」




 撮影は、こうして終わった。




 無事にクランクアップ!








 の、はずでした。