プリンセス×プリンス




『じゃ琉太、答えてよ。私を好きだって言ったのは嘘なの?』



『嘘ではありません。今でもわたくしはお嬢様を愛しております。
ですが、わたくしはお嬢様を幸せに出来るほどの力は持っておりません!

わたくしと一緒になっても、お嬢様が辛いだけでございます!』



『辛くなんてならないわ!どうして好きな人と一緒になって辛いと思うのよ!

お父様や大輝さんには、私から言うわ。
琉太は何も心配しなくてもいいのよ!』



『織子・・・お嬢様・・・』




 私はあすくに抱きついた。



 そして、寸止めのキスを交わすことを監督から指示されたので、



 指示通りにあすくに自分の顔を近づけた。





チュッ




 小さなリップ音。





 って、え?




『・・・愛しております、織子お嬢様』




 にこりと優しく、あすくが微笑む。