プリンセス×プリンス





☆☆☆☆





「では今日は、ラストのシーンを撮影します。
織子と琉太のキスシーンも撮りたいと思います。

ですが、本当にキスするわけではありません。
あくまでも、ふりをしてもらいます。

花林ちゃん、あすくくん、よろしいですか?」




「はい!花林ちゃんは?」



「私もわかりました」



 朝太じゃない・・・あすくだ。



 私と出会ったころの朝太だ。



 作り笑いが見え見えの。







「では、撮影スタート!」





『織子お嬢様!やっと見つけました!
さぁ、大輝様のもとへ行きましょう』



『嫌よ!私、琉太と一緒になりたいわ!』



『わがままを言わないでください、織子お嬢様。
わたくしはただの使用人。織子お嬢様と一緒になることは
叶わないのです』