プリンセス×プリンス





「子どもじゃないもん!」



「そういうところが子どもなんだよ」



 むき~!ひどい!



 子どもで悪いか!



「呼んでみ?」



 え?



「朝太って、呼んでみ?」



 ・・・何言っているの?



「呼んでみなよ、花林ちゃん」



 ・・・恥ずかしいよ。



「俺は花鈴を下の名前で呼んでいるのに?」



 そうだけどさ。



「朝太。3文字だけだよ?」



 でもっ・・・。



「ほら、呼んでみ?」




 姫川花鈴、当たって本当に砕けそうです。





「・・・あ、朝太」



 静かな部屋の中に、私の声が響いた。



 ちらり、とあすくを見ると。






 何故か、寂しそうな表情を浮かべていた。