線路を挟んだ向かい側、まるで鏡のように呆然と菜々子を見つめる男――窪川匡その人がいた。 夏以来、実に半年ぶりの再会だった。 冬服。 むしろ夏より短くなった髪。 頬のあたりが締まったようで、顔つきが単なる格好いいから男らしい精悍のそれへとゆるやかな成長を窺わせる。 見つめ合うこと数秒。 先に視線を逸らしたのは彼の方だった。 以前からのこの道の利用者であるかのように、左右を簡単に確認すると、さしたる躊躇もなく線路に侵入してきた。