思わず苦笑した。 うぬぼれてる。 なんて、人のことを言えた義理じゃない。 菜々子はひそかに息を吐いた。吐いた傍から凍りつく息が風に散る。 何かを言いたそうな気配はあっても、言おうとする気概に欠けた彼の口は一向に重い。 何か話題をと、菜々子は頭をひねった。 そうだ、ポケット――。 「……そういえば、こないだのホッカイロって、あれ、どういう意味だったの?」 ハッとしたように窪川は顔を上げた。