「なんで謝るんだよ?」 翠が不思議そうに聞いた。 言えない。 こんなこと。 苦しい。 苦しい。 気づいたら、翠を抱きしめていた。 目を丸くする翠。 「……ごめんね、暑苦しいよね」 でも。 怖くて、苦しくて。 いつか、この翠の想いをずたずたにしてしまいそうで。 私、翠のこと捨てちゃうんじゃないかって。 怖くなって。 きつくきつく抱きしめた。