「あれ食べたい、りんごアメ」 「え?翠あれ好きなの?」 りんごあめって、なんだか永遠に終わりが来ないアメって感じで飽きてしまう印象しかなかった。 やたら甘くて、やたらでかくて。 「何~希衣はあのおいしさが分かんないわけ?!」 「ぜんっぜん分かんない!」 翠には、たとえ意見が違ってもこうやって自分の考えを言うことができた。 嫌われるのが怖くて相手に無理に合わせる。 そんなことをしなくても平気だった。 だから余計、翠といると心が落ち着いた。