私は、まだ廊下で律を見かける度に目で追っている。
叶うはずがないのに。
私は翠と付き合ってるのに。
それなのに、いつも私に笑いかけてくれる翠。
好きでいてくれる、翠。
そんなことを考える度に、罪悪感で胸が苦しくなった。
律は…誰を好きになって、誰と付き合うんだろう。
特定の女の子といるところなんて見たことなかったし、誰とも付き合ってないと知っていたけど、それでも誰か女の子が律と話していると苛立っている自分がいた。
…たしかに、翠を好きになっている自分もいる。
翠の言葉一つや行動に、いいなと思ったりする。
だけど…。
視線をあげる。
笑って話をする翠。
…胸の奥がうずく。


