それでも……


『海里!』


コートから離れると、いつも一番に最高の笑顔をくれた。


そして、


小さくて弱い自分を、優しく大きな手で励ましてくれた。


その笑顔が、その優しさが、その大きな手が、


本当に大好きだった。


その大きな背中を、心から尊敬し、


その背中にずっとついていけるよう、必死に追いかけてきた。


それなのに……―――