でも……。


懇願するような5人の視線。


その奥にいる3人も、必死な表情であたしを見つめている。


わかってる。


あたしがやらなきゃ、この夢は叶わない。


また無念のまま終わることになる。


そんなの、今までのこいつらの努力、そしてあたしがこの5人の前に現れた意味が全くなくなってしまう。


そんなの…絶対にあってはならない。


この夢は…誰のためにも叶えなくてはならないんだ。


そんなこと、痛いほどわかってるんだよ……‼︎


でも、でも……っ‼︎


いろいろな思いが身体中を駆け巡り、素直に首を振ることができずにいた。


第一、しばらくまともにボールなんて触ってもない。


そしてこの5人のチームプレーのすごさは痛いほど知っている。


だから…不安なんだよ……。


そんな自分の葛藤の中、ふとコートに目を向けた。


その時…――――。