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『海里!』


ずっとあたしのそばにいてくれたお兄ちゃん。


寂しい時、辛い時にいつも頭を撫でてくれたあの優しい手。


そしていつもあたしだけに見せてくれたあの眩しい笑顔。


あたしにとって、なくてはならない存在だったお兄ちゃん。


そんなお兄ちゃんをバスケは永遠にあたしから奪っていった。


それが…どれだけ憎かったことか……。


バスケさえなければ、今でもそばにいてくれたのに…って……。


そしてあの日から、自分はもう2度とバスケをしない、関わらないと決めたんだ。


バスケを見ると…思い出すから……。


真剣にボールを追いかけて、楽しそうにコートを駆け回る、あのお兄ちゃんを。


そしてゴールを決めて試合に勝つたびに見せてくれた、あの眩しい大好きな笑顔も……。


だから…辛いんだよ……。