孝「海里……」


海里「お兄ちゃん、悔しかったんだろうな……」


寂しそうにそう呟く海里。


その姿に俺たちの胸が締め付けられる。


すると海里は自分の首元に手を伸ばし、優太さんのネックレスをギュッと握る。


そして思い立ったようにそれを外すと、スッと孝の前に差し出した。


孝「え……?」


海里「お兄ちゃんと、コートに立って」


真剣な海里の眼差し。


海里「お兄ちゃんも…コートに立ちたかっただろうから……。一緒に戦ってきて」


海里の大切なネックレス。


この3年間、肩身離さず持っていたはずだ。


その宝物を今……。


孝「……おう」


孝はジッとそれを見つめた後、静かに受け取った。


満足そうだけど、どこか寂しそうな海里の笑顔。


絶対に、心からの笑顔に変えてやるからな……。


その時、5人の意志が更に強く固まった。


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