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『海里、大丈夫だから』


両親が共に忙しく、小さい頃から家に2人きりだったあたしたち。


そんな寂しさと不安で泣いていたあたしのそばに、ずっといてくれたお兄ちゃん。


『大丈夫、海里を1人になんてしないから』


そう言って、優しく微笑みながら頭を撫でてくれた。


その手は大きくてあったかくて、本当に大好きだった。


でも、大きくなるにつれてバスケに打ち込み始めたお兄ちゃんが、少し遠くなった気がして……。


ちょっとバスケに妬いてる自分がいた。