海里「あっ…あっ……やっ……‼︎」


カタカタと震えだし、ガクンと崩れそうになる海里を優雅が抱きしめる。


優雅「落ち着け、海里。大丈夫だから……」


そう言葉では言ってみたものの、内心そんな余裕などない。


信じられない、いや、信じたくない情景が目の前に広がっているのだから……。


誰かが呼んだ救急車のサイレンが、ひどく遠くに聞こえる。


今の俺たちに音など存在しない。


ただひとつあるのは“絶望”の文字―――。


孝「光希ッ―――‼︎」


孝の叫び声も、全てが漆黒の渦へと引き込まれていく……。


海里「……っ…いやあぁぁぁっ‼︎」


俺たちからまた、ヒカリが消えた。




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