「光希!!」


相手チームにボールが渡ると、すぐさま光希がそれを追いかける。


光希に追いつかれると悟った相手は、


すかさず立ち止まり、ゴール近くの味方にパスを出す。


ボールを受け取った相手は、マークをかわしてゴール前へと攻め上がった。


「……翔太!!」


すると、叫び声とほぼ同時に、翔太が相手の目の前に立ちはだかる。


「…クッ……」


ゴールを阻止された相手は、苦し紛れに味方へパスを促した。


しかし、そのボールは味方の手元に渡る前に、素早く反応した光希によって奪われる。


「優雅!!」


やがて、ボールは優雅に渡され、


敵の多いゴール付近から、ノーマークの辰哉へ正確なパスが飛んでいく。


「そのまま攻めろ、辰哉!!」


辰哉に渡ったボールは巧みに操られ、次々と相手を抜いてゆく。


そしてついにゴール近くの孝へとパスが回された。


「孝、決めろ!!」


しかし、ボールに追いついた相手が、孝の前に立ちはだかる。


孝はそんな相手をかわすと、一気にゴール目掛けて駆け出した――。