「……ッ!!」


その伸ばした長い腕が、ゴール目掛けて飛んでいくボールを叩き落とす。


「もーらいっ」


そのプレーに相手が怯んだスキに、叩き落とされたボールを素早く奪う。


「しまった…!!」


スキをつかれた相手は、即座にボールに集まる。


「チッ…」


「優雅、辰哉に渡せ!!」


ふと顔を向けると、コートの反対側で手が上がる。


これは俺達特有の、攻め上がれることを知らせる合図。


しかし、既に周りには相手のマークが張り付いている。


ボールをコートの反対側に渡すには、極めて困難な状況だ。


「さぁ、どうする?」