凛花は何をするのも遅い。

 だから、凛花が宿題を移している間に
 HRが始まった。

 「おーい、席に着け―」

 先生がそう言うと、みんな席に
 着き始める。

 「えー、もうすぐ文化祭が・・・・・」

 あー、そういや、もうすぐ文化祭か。
 まぁ、俺にとってはどうでもいい話。
 その話を担任が長々と話をする。

 頬杖をつきながら話を聞く。

 左斜め前を見ると凛花の姿があった。
 凛花は必死に俺が渡した宿題を写す。

 俺はそんな凛花を見ながらこころの中で
 笑う。

 ーー キ―ンコーンカーンコ―ン --

 やっと長々とした文化祭の話が終わった。
 先生は教室を出た。

 「黒羽ー、今の話聞いてたかー?」

 「いやぁー、聞いてねぇ―」

 「だよなぁー、あの担任、話長げぇーし」