『あれは!……』
今度は遥歩が、恥ずかしそうに顔を背ける。

『誤解なんだよ…』
右手で顔を覆うようにして、話し始めた。

『お前、クラスでけっこー人気あって…

転校するって事で、あいつら"最後の思い出"とかいって、笛舐め始めて…

で、俺はお前のコト好きだったから、そんな笛使わせたくなくて…

俺だって、あいつらが舐めた後とかヤだったけど、それしか思いつかなくて…

したら、タイミング悪くお前に見られただろ?
だからテンパって、あんな事言ってしまったんだ。

ケド…ごめん』


『なにそれ…

遥歩って、ほんとバカ!

だいたい遥歩の優しさって、ズレてたり、さりげなすぎたり、わかりずらいのよ!

ケーキの事も、バレンタインに送ってくれた事も…


まぁ…さりげない優しさって、キライじゃないケド…


私こそ、誤解しててゴメン。
色々ありがと…』