『まりか、ムリすんなよ』

その言葉に、まりかは思わず悠樹の肩に寄りかかる。

複雑な気持ちの悠樹。

まりかは呟くように、

『幼馴染って、厄介だよね…

頑張って近付いても、兄妹みたいに思われるなんて…

悲しいね…』

『うん…

わかるよ…』
優しい声で答える悠樹。

(わかるよ、まりか…
俺にはその気持ち、痛いほどわかる…)

まりかは続ける、
『カラオケ…楽しかったなぁ。
昨日までも楽しかったのに…

…恋って難しいね』

悠樹は慰めるように、そっと まりかの頭を撫でた。


『あれ…まりか!?』
イベントに来ていた希子が、遠巻きに気付く。

『あっ、ほんとだ!
えっ!?あいつ彼氏出来たの!?』
一緒に来ていた希子の彼氏のサッカー部
キャプテンも気付く。

でも希子は、まりか達の様子に気遣い
『まぁいーじゃん、行こっ!』
と遠ざかった。