イベント会場には行ったものの、まりかは何を楽しむわけでもなく、黙ったまま歩き続ける。

『まりか、ちょっと座ろっか』
悠樹は まりかをベンチに座らせた。

そのまま まりかに少し待ってもらい、屋台でホットココアを買って来た。

『はい、まりか。あったまるから』
『……ありがと』

悠樹はココアを飲む まりかを見つめながら、

『ごめんな…まりか。
俺が、もっとちゃんと聞いてれば…』
と謝る。

『……悠樹のせいじゃないよ。
私も先走っちゃってたし…』

まりかは話を続けた。

『なんか…笑えるよね!
告る前に失恋しちゃうなんて。

あ!でも逆によかったのかも、
変に気まずくなんなくて。』
また、明るく話す まりか。